立山・剱岳縦走0日目×2~移動日・停滞日
憧れの立山・剱岳へ初挑戦です。が、本記事では登りません。当初は8月15日に移動、8月16日に立山アタックの予定でしたが、大嵐のため16日は停滞となりました。本記事では2日分の(1) 折立-室堂の移動、(2) 室堂ーキャンプ場のお散歩、(3) 嵐の中の停滞、の模様をお送りします。
行動記録・ルート
- 2018/8/15 (Wed.)
折立登山口 (公共バス) 有峰口停留所 (徒歩) 有峰口駅 (富山地方鉄道) 立山駅 (立山ケーブルカー) 美女平 (立山高原バス) 室堂バスターミナル
室堂(15:35) 0:45 雷鳥沢キャンプ場(16:20)
合計歩程 0:45(コースタイム 0:50 短縮率90.0%)
- 2018/8/16 (Thu.)
雷鳥沢キャンプ場(6:20) 0:45 室堂(7:05) 後発組と合流ののち、室堂山荘へ
合計歩程 不明
出典:山と高原地図 33「日本アルプス総図」,昭文社,2015.
赤:移動ルート
出典:山と高原地図 36「剱・立山 北アルプス」,昭文社,2013.
赤:8/15(水)のルート
青:8/16(木)のルート
折立下山口から、まずは公共バスにて有峰口へ。そこから富山地方鉄道・ケーブルカー・高原バス(立山・黒部アルペンルート)を乗りついで室堂へ。室堂からは、1時間弱でのどかな雷鳥沢キャンプ場に到着します。とても静かで快適でした。…からの嵐に襲われ、翌日は停滞を余儀なくされました。
登山報告
はじめまして、まゆげ(仮称)です。
北アルプス裏銀座縦走からの立山・剱岳に挑戦です。この上ない贅沢なセット。
気分はハイです。
8月15日、早朝に薬師岳を攻略し、折立下山口まで下りてきました。
その模様はこちらでどうぞ
折立から公共バスに乗り、有峰口停留所で下車します。
この後は立山起点である室堂を目指し、明日16日の早朝に夜行バスでやってきた仲間と合流する予定です。
裏銀座を共にした仲間たちとは、有峰口でお別れ。さらばだ
富山地方鉄道の駅はどこだー?
道案内という概念が全く存在しない…
運転手さんいわく、橋のところの階段上ればあるよ、とのことでした。
あれかな?
これっぽい。
階段を上がると、右手に駅が見えました。
有峰口駅。
味がある!!素晴らしい!!撮り鉄の血が騒ぎます。
ちなみに「小見駅」という標識がありますが、1970年までは小見駅だったそうです。
古き良き改札口。
時刻表が貼ってあります。
いま12時15分。平日の立山行の次の電車は?
…まさかの55分後でした。
公共バスとの接続ないんかい!と思いましたが
そもそも折立発バスからの立山行電車に乗る自分が稀な人種でした
ま、これでゆっくり写真が撮れるってもんです。
富山方面の電車。
ホームからの駅舎。
ホーム。
さて、そこそこ満足しました。電車早く来ないかな笑
…現金なやつだな、自分。
そういえば結構暑いです。冷房はありません。
喉が渇いてきました。水は折立で捨てたので手持ちなし。
自販機やコンビニがないか調べました。ありませんでした。
おまけに携帯の電源切れそうです。あれ、地味にピンチ?
プチ砂漠のような体験をしながら待つこと1時間弱、念願の電車が来ました。
みなさま有峰口駅で電車を待つ際は、万全を期してください笑
味のあるローカル線に揺られ、立山駅に到着。
とりあえず飲み水購入で生き返ります
このななめの筒は、ケーブルカーの発着所です。
左のきっぷ売り場で、立山・黒部アルペンルートの切符が買えます。
さて、まずはケーブルカーに乗って美女平へ。
都合よく、最後尾の窓際に収まることができました。
撮りまくりパラダイス
わずか7分で、502メートルの標高を稼ぎます。
ケーブルカーって偉大。
美女平から、立山高原バスに乗ります。
揺られること50分。室堂バスターミナルに到着です。
今度は1473メートルの標高を稼ぎました。
1秒でおよそ50センチ。車としては破格の稼ぎ量な気がします
それにしても人多いなぁ。
そういえば地球ってそういう場所だった。
裏銀座とか籠ってると感覚がまひします。
みんなこっち向いて下車してるときに撮ったことを後悔しました。
何を伝えたい写真なのか全くわからん笑
建物を出るとそこは立山だった。
室堂バスターミナルの中は、ホテル立山と直結です。
これは便利
天気は、圧倒的曇り。午前の快晴よいずこ
人もまばらです。
水場!名前もかっこいい。
水の大事さを有峰口駅で痛感したので、これでもかとばかりに汲みます。
雷鳥沢キャンプ場へ向けて歩き出します。
みくりが池・地獄谷方面です。
のどかだけど展望ゼロ。
途中で地図とにらめっこ
左下の室堂バスターミナルから、右上の雷鳥沢キャンプ場を目指しています。
みくりが池が見えてきました。苦しゅうない
池に沿って、アップダウンの道が続きます。
みくりが池温泉、という山荘が近づいてきました。
左手には立ち入り禁止の道。
地獄谷、という噴煙スポットへ続いています。
立ち入り禁止を乗り越えて歩いていけば、文字通り地獄。
ダメ、ゼッタイ
ほどなくしてみくりが池に到着。
標高2410メートルにある、日本一高所にある天然温泉として人気を博しています。
宿泊もできます。お金があればここに泊まりたかったです。
華麗にスルーし、リーズナブルなテン場へ向かいます。
残念ながら世の中金です。
てくてくてく…
地獄谷展望台。硫黄の臭いが凄まじい。
本日二つ目の、国指定天然記念物の圏谷の石碑。
しかし今度は展望ゼロです。無念
近くに、ガス警戒の標識が
ppmとは、parts per millionの略です。
大気分子の体積100万に対して、ガスの体積がいくらあるかを示しています。
5ppmとか2ppmって少ないように感じますが、それほど有毒ガスが強力ってことでしょう。侮るなかれ
ちなみに、風向き次第では火山ガスが流れてきて危険らしいです。
幸いいまは平気みたいです。
というか立山ってガス的な意味で地味に危険なんですね…
だんだんと、人工物が減ってきました。
石の道をひたすら進むのみ。
ジェットコースターのような道ですね。
さえぎるものがない尾根のような道を進みます。
強風だったら大変そう。
ま、今回は全体的に天気に恵まれているのでそんなことはないでしょう。
フラグ設営完了
雷鳥荘という山荘を通過すると、キャンプ場までそろそろです。
おっ、見えてきた!
うん、これはいいテン場間違いなし!!
うおぉぉぉぉぉぉ!!!⤴⤴⤴
テンション爆上がりです。
…からのテン場へ至る道は、万里の長城級のロング階段。
ちょいと長すぎやしませんか?
下るのはまだしも、明日これ登って室堂に戻らんといかんのよ。
しゅん…⤵⤵⤵
テンション爆下がりです。
情緒不安定ですね
しかも強風だったら大変そう。
はい、またもフラグ設営完了
…人間、ネガティブだと不幸を呼び込みます。
ポジティブにいきましょう。
階段大変結構!!これで健康になれますよっと
階段をクリアし、テン場に到着!!
ガスってはいるけど、展望そこそこよいですね!
晴れに期待
奥には、大学生らしきグループが。賑やかでいいですね!
IoTでインドア派が増えそうな今日のこの頃、若い世代にはぜひ山へ足を運んでほしいね、うん。ひよっこが何言ってんだか
さて、テントを立てましょう。
4人用テントを頑張って一人で設営します。
せっかくなのでテント設営講習、開講~!!ぱちぱち
需要という概念は無視します。
まずはグラウンドシート。
次に本体。
次にポール×2。
あとはよっこらせって持ち上げてテントの端にポールはめてフライシート被せてペグ打ちつければ完成です。いきなり適当。しかも完成の写真を撮らないというミス。
いや、いいんです。完成版なんてググればでてきます。モンベルステラリッジ4型っていうテントです。
もはやポジティブというか自分の都合のいいように考えるマンになってますね。社会に出る時は気を付けよう…
さて、お夕飯にしますかね
QTTA(クッタ)のとんこつ味をいただきます。
個人的なカップ麺ランキング一位です。うまし
さて、一人テントは初です。
黙れば静寂。独特な雰囲気で、これまた楽しいものですね
気ままな休日を過ごします。…いや平日なんだけど
お盆なので、硬いこと言いっこなしで
とりあえず、4日間ぶっ通しで歩いたので、さすがに疲れました。
今夜はよく眠れそうです。
おやすみなさい…
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8月16日。ときは朝5時。
轟音とともに目覚めました。
しばらく文章が続きます。写真はありません。まっっっっっっっっっったく撮る余裕がありませんでした。
轟音の正体は、風でした。風速20メートルくらいの強風が、ひっきりなしに吹いてきます。
気づいたら、天井につるしてあったはずのランタンが腹部に落下していました。痛い
そして、轟音とともにテントが曲がる曲がる。しかしポールは折れません。この点はさすがモンベル。
風とともに、テントが右へ左へずりずり移動します。ペグ外れてる感。まずい、このままじゃテントごと吹っ飛ばされる。
さぁ、起きて早々ピンチです。何からしようか?
パッキングをしてさっさと撤収したい。
しかし風とともに、テントが大幅に変形してテント内のもの(自分含む)が吹っ飛ばされます。パッキングどころじゃない。
ペグを打ち直してテントの体勢を整えたいところですが、いま外に出たら強風で吹っ飛ばされます。
冷静になって、風が弱まるまで待つことにします。
その間、強風により変形したテントに、内側でボコボコに殴られます。
こんなにスリルある朝5時がいまだかつてあっただろうか
朝6時、やや風がおさまったタイミングを見計らって、ペグをさし直します。
これでもかというくらいハンマーで打ちまくります。
打ちすぎて、数本曲がりました。
でも買えばいいんです。テントが吹き飛ぶよりはましです。
やや安定したテント内で超速パッキング、強風のなか本気のテント撤収能力を発揮し、室堂へ戻ります。
しかし、室堂までの道がまた難所。
先に述べたように、道中風を遮るものはなく、強風にあおられると転げ落ちます。
風が弱まった瞬間に一気に進み、轟音が聞こえてきたら強風に備えて静止する。
危険なだるまさんが転んだ状態です。
地獄のような45分間の道歩きののち、なんとか無事に室堂まで戻ってきました。
立山は観光地化していますが、立地的にはれっきとしたな山です。挑戦の際は万全を期しましょう。改めて山の恐ろしさを思い知りました。
さて朝7時、ちょうど後発の夜行バス組も到着したみたいです。
秩父御岳山のときにもお世話になった二人の先輩、バイク(仮称)さんと少年(仮称)さんと合流。
心強さ100倍です!思わず気が緩みます。
作戦会議の末、今日は迷わず停滞。
立山室堂山荘に泊まることにしました。
久しぶりの布団!!しかもお風呂つき。
これでゆっくりできそうです。縦走の疲れもとれそう
しかしながら、また別の問題が。
最終日の新幹線のきっぷの指定席、停滞に伴い一日延期する必要が生じました。問い合わせましたが、Webや電話では対応不可とのことだったので、バス・ケーブルカー・富山地方鉄道を乗りついで富山駅まで戻って手続きすることに。
本件、バイクさんが単独で行ってくれることに。
本当にすみません。地面に頭埋まるくらい土下座します。
山で新幹線使うときは、自由席にするべきです、学びました。
バイクさんは一人富山駅へ。
下界でも雨が降っているようです。
名店のラーメンを召し上がったそうです。
我々も、お手製の名ラーメンを作るとしましょう。
少年さんの角煮というチョイスが絶妙!!肉不足なんで、めっちゃ嬉しい
さて、バイクさんが富山駅から無事帰還。
本っ当にありがとうございました!!!!
前転倒立するくらい土下座します。
明日からは小屋泊でテント不要なので、室堂バスターミナルにて不要なグッズをロッカーにねじこんで軽量化。準備万全で床につきます。
修学旅行の一コマのよう。
お盆なのに個室とか神ですね。やる気・体力全回復です。
さて、本日はえらい目に遭いましたが、嵐が来たおかげで快適な山荘泊まりかつお風呂にも入れて質の高い休養ができました。結果的には正解だと思ってます。縦走のハシゴする際は、予備日という名の休養日を入れるべきですね、学びました。
嵐の仕打ちは、気持ちの緩みにいいスパイスだったかもしれません。気を引き締め直して、立山・剱岳に臨みたいと思います。
メンバー
- バイクさん(10回目)
- 少年さん(6回目)
- まゆげ(自分)
※(回数)は、通算で登った回数
全日程通しで1回とカウントします。
室堂ー雷鳥沢キャンプ場の往復は、一人です。