登ろう登ろう私は元気

たまには山に行こうかなぁ

裏銀座・雲ノ平縦走4日目~薬師岳(日本百名山)

薬師岳の特徴

みんな大好き薬師岳富山県側から比較的手軽(?)に登れる立派な百名山として、絶大な人気を誇ります。南は槍ヶ岳、北は剱岳まで見えます。西は富山県日本海を一望できます。展望は文字通り、神です。

 

行動記録・ルート

  • 2018/8/15 (Wed.)

薬師峠キャンプ場(2:15) 0:55 レスト(3:10/3:40) 1:00 薬師岳(4:40/5:15) 0:40 薬師岳山荘(5:55) 0:45 薬師峠キャンプ場(6:40/7:45) 0:45 五光岩ベンチ(8:30/8:37) 0:33 レスト(9:10/9:25) 0:55 折立(10:20)

合計歩程 5:33(コースタイム 8:20 短縮率66.6%)

 

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出典:山と高原地図 36「剱・立山 北アルプス」,昭文社,2013.

 

赤:登りのルート

青:下りのルート

 

薬師峠キャンプ場から薬師岳まで、コースタイムは比較的緩めに設定されていた印象で、サクサク歩けます。山頂でご来光を拝むのがおススメです。薬師岳まで徒歩1時間の薬師岳山荘に泊まれば、快適な日の出山行が満喫できることでしょう。足に自信のある方は、薬師峠キャンプ場or太郎平小屋から、2-3時に出れば間に合います。ただ、尾根に出るまでは、暗闇では少々道に迷いやすい印象があるので、マークを見失わないように進みましょう。

 

登山報告

はじめまして、まゆげ(仮称)です。

 

ついにきました最終日!薬師峠キャンプ場から、薬師岳まで往復したのち、折立へ向けて下ります。

朝2時、起きます。早すぎやないかいと思いますが、山頂までコースタイム3時間弱なので、ご来光を見るために頑張ることにします。

 

登り始めは、ゴロゴロした岩場を登っていきます。ここが意外と迷いやすい。

頑張って登りきると、早くも森林限界感が出てきます。早い!!

このお得感、森林限界フェチにはたまりませんね

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しばらく木道。

 

真っ暗で現在位置が全く分かりません。

そんなところへ、看板が。

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かすれていて読めない…

ここでは、富山方面が大きく開けています。

 

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眠らない街、富山。

朝3時なのに灯りがすごい。

ただ、この写真は星空モードで光をだいぶ増強してます。

 

通常モードで撮るとこんな感じ。

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だいぶ落ち着きました。

朝3時としては十分明るいでしょう。

 

せっかくなので夜景バックに、透明人間になってみます。

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露光時間増やすためにシャッター時間長めにしています。

その間に人が一瞬だけ映るとこうなります。たぶん

 

そして星空は完璧です。

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今回一の星空かもしれません。標高高いのが幸いしてるかもです。

 

真っ暗な中、薬師岳山荘に到着。山頂まで1時間のこの山荘からご来光登山をする方が多く、人口密度が若干増します。

 

次第に明るくなってきました。

行く先には薬師岳

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シルエットの時点でお美しい。さすが貴婦人。

 

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シルエットの時点で…なんでもないです。

 

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いい朝焼け。真っ赤。

 

子供「お父さん、朝焼けとか夕焼け空ってどうして赤いの?」

お父さん「それはね、レイリー散乱といって波長の短い青い光がまず大気分子に散乱されて、残った長波長の赤い光が目に届くからだよ」

子供「なるほど!」

 

幼少期、誰しもが一度はしたことがあるやり取りですね。

ちなみに私はありません。

 

もう少しかみ砕いて説明すると…

光というのは、大気分子など何らかの物質に当たると光の進行方向が変わります。

これを散乱と言います。

 

一方、空の色の源は、太陽光です。太陽光には、赤から青まで、様々な光の色の成分が含まれています。散乱のされやすさは、光の色によって異なります。

人の目に見える色の中では、青が最も散乱されやすく、赤が最も散乱されにくいです。よって、太陽光が大気を通過する距離に応じて、散乱される頻度が変わるということになります。朝焼けや夕焼けでは、太陽光が観測地点に向けて斜めに入射するため、大気を通過する距離が比較的長くて青い光はほとんど散乱されて届くことはなく、赤い光のみが届くことになります。

朝焼け夕焼けは、地球の大気分子あってゆえの産物です。地球に生まれてよかった…!!

 

このレイリー散乱という現象は、100年以上前にイギリスの物理学者ジョン・ウィリアム・ストラット(レイリー卿)によって発見されました。気体に関する研究で画期的な業績を残しており、1904年にノーベル物理学賞を受賞しております。ノーベル賞が始まったのは1901年なので、黎明期の受賞です。歴史の重みを感じます。

 

あ、日の出。話を戻すスピードが超絶早いマンです。

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そう思うと、朝焼けにも歴史の重みを感じます。

100年前の科学者は、この光景を見て疑問を感じ、ウンウン唸ってたんでしょうね…

 

ちなみに、朝焼けを拝みながら既に山頂に着いてます。

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ご来光にも間に合いました!

 

山頂には、立派な祠があります。

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既に人もいっぱいです。

 

山頂でまずやりたいのは、パノラマ写真。

南を向いて、時計回りに360°撮ってみました。

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そろそろパノラマ撮影機能欲しい…

 

薬師岳山頂から北側を見る。

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遠目には、立山剱岳

 

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剱岳。ギザギザしとる。

 

南東側には、槍ヶ岳

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槍ヶ岳の真下のピークは、祖父岳かと思います。祖父岳手前のガラガラ地帯が、雲ノ平キャンプ場でしょう。暗くて少々分かりづらいですが。

 

槍ヶ岳の左に視線を移すと…何やら美しい台形が。

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まさかの富士山です。

槍ヶ岳と富士山を同時に拝めるとか、贅沢すぎます。

 

テンションが上がったところで、そろそろ下るとします。

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薬師岳の魅力は、展望のみにとどまりません。

稜線の東側は美しいカールがいくつもあります(金作谷カール、中央カール、南陵カール)。一つの山にカール三つとか、規模大きすぎワロタ状態です。

太陽が当たった赤っぽいカールは見ものです。

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よい。

稜線右奥のピークは、北から見た黒部五郎岳でしょう。スプーンでえぐられたような形状を端から見たような角度です。マニアには分かるハズ。

 

一眼で撮ったVer.

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色合いがより現実に近いです。

 

薬師岳山荘が見えてきました。

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ガラガラした道を下ります。

 

右手には有峰湖。

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今日の下山口でもあります。

まだまだ遠い…

 

手前には薬師岳山荘、奥には太郎平山荘です。

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この二つの山荘間の所要時間、下りでは徒歩1時間40分。

山としては破格の近さです。

 

最後の最後までゴロゴロしてます。

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一方で高山植物もしっかり群生。

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チングルマはすっかりおなじみです。

 

朝を迎えた富山県能登半島の形状がよく分かります。

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山荘まであと少し。

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山荘前のベンチでは、ワインかビールっぽい瓶とともに一服されている方がいます。朝5時55分!!この自由な感じがいいですね

 

薬師岳山荘入り口。

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自体の崩し方に趣を感じます。

 

山荘前には、国指定特別天然記念物の記念碑レリーフあり。

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薬師岳の圏谷群。しげしげと見つめます。

 

ここからは、ガラガラ帯からはいまつ歩きになります。

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薬師岳山荘よサヨウナラ。

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富山側の山並みも美しいです。

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穏やかな感じ。

 

さえぎるものがない道を、ひたすら下ります。

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おや、看板が。

ここは、早朝最初にレストを取ったスポットです。

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うーん、明るい状態で見ても、なんて書いてあるかわからん。

 

ちなみに、ここでちょうど日陰と日なたの境がありました。

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このラインは、薬師岳山頂の方へじわじわと動いています。

地球の自転を体感できますね

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太陽は山の陰から顔を出し、一気に気温が上がります。

 

左手を見れば、いつでも槍ヶ岳

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なんかさっきより尖ってない?

見る角度の問題でしょう。

 

めちゃんこのどかです。

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木道の横には、ケルン。

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このケルン、登山地図にも表記があり、数少ない現在地特定のポイントです。ちなみに行きは見逃しました。灯りがないと分かりません。

 

テン場付近は、ゴロゴロした岩場です。

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繰り返しになりますが、早朝暗いと迷いやすいのでご注意ください。

 

そして、薬師峠キャンプ場へ。

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まだ多くのテントが残っています。みなさん、薬師岳ピストンでしょう。

 

さて、片付け片付け…

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忘れものしないようにね。

レインとか忘れないでね。

 

テン場を後にし、太郎平小屋へ向けて歩きます。

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飛行機雲。明日は雨ですね。

 

太郎平小屋からは、折立へ向けて下りです。いよいよ最後の下りとなります。

富山へ向けて、下る下る…

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振り返れば、太郎平小屋。

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さらばだ

まだまだ先は長いなぁ…

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徐々に離されていきます。

私は先を急ぐ者ではないのでじっくり行きます。

 

雰囲気が、万里の長城っぽいです。

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山に沿ってうねうねしていればなんでもそれっぽくなるかもしれません。

この下りでは、色んなタイプの道が待ち構えています。

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最終日、これまでに鍛えた歩きのテクニックを見せてやる!!

と凄んだのはいいものの、大抵何も考えずに歩いてるのでテクニックとか知りません

 

山陰から剱岳がひょっこり見えました。

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よい。

最後のレストポイント、五光岩ベンチです。

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エネルギー補給し、一気に下ります。

 

ぐんぐん近づく、富山県

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有峰湖も近いです。

 

そしてついに、折立の下山口に到着!!

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終わった終わった。

いやー、本当にお疲れさま!!

 

ここから、富山市街へ向けて出ているバスに乗ります。

バスの出発まで1時間弱、お昼にうどんを食べて荷物の軽量化です。

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魚肉ソーセージって日持ちして便利。

 

さて、肝心のバスですが、お盆ということもあって超満員です。乗車予約できるならすべきです。あるいは、太郎平小屋の時点でタクシーを呼ぶというのも手です。

当日予約なしで乗るとなると、少々危ういかもしれません。

 

さて、富山県の市街地へ出て、お昼ごはんの食べ直しです。

元祖ブラックラーメンをいただきます。

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富山ライトレールで、帰路へ着きます。

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ゴールキーパーは、素直に関東へ帰っていきました。

うさぎは、ローカル線を乗り継いで、私用のため長野県へ向かいました。

私は、山に残りました。

 

…残りました?

 

はい、実はわたくし、富山県の市街地には出ておりません。

ブラックラーメンも食べておりません。

折立からバスに乗った後、有峰口という停留所で途中下車しました。

 

有峰口という名前にピンときたあなたは、通ですね。

停留所の近くには、富山地方鉄道有峰口駅があります。

富山地方鉄道に乗るとどこにいけるか?

 

ズバリ、立山です。

別メンバーで、明日からの日程で、立山剱岳に行かないかと誘われていました。

二つ返事でOKしました。縦走直後の立山なんて、体力とか予備日とか考えると、常識的には断ります。でもOKしました。立山剱岳の魅力には勝てません。

 

…というわけで、有峰口停留所にてバスを下車。

うさぎとゴールキーパーに別れを告げます。

お付き合いいただきありがとう!!よい旅であった。

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さて、降りたはいいけど、駅はどっちだ?案内が一切存在しません。先が思いやられる…

とりま次回に続きます。

 

 

一方、裏銀座・雲ノ平縦走パートは今回で終了です。毎日7-8時間のコースタイムを、重いテント・食材背負ってよく踏破したなと思います。辛いけど、それに見合う山ならではの解放感や爽快感があります。楽しいです。おススメです。テント泊。

…しかし、疲労感がそれなりにあるのも事実です。

そう考えると、ここから立山剱岳縦走とか狂ってますね。でも、考える能力が根本的に欠けているために実現したというのも何かの縁でしょう。素敵な旅となることを期待します。超絶ポジティブマンです。

良い子はマネしちゃダメよ

 

 

メンバー

※(回数)は、通算で登った回数

全日程通しで1回とカウントします。