裏銀座・雲ノ平縦走2日目~水晶岳(日本百名山)
水晶岳の特徴
- 日本百名山
- 登ってみると思いのほか岩々している
- 別名「黒岳」
裏銀座は、静かな雰囲気が通に人気の縦走ルートであり、今回のメインテーマです。
本日のゴールの雲ノ平は「日本最後の秘境」と形容されるほど、美しい自然が広がります。が、本日は天気にあまり恵まれなかったため、晴天となった翌日の記事で触れたいと思います。
行動記録・ルート
- 2018/8/13 (Mon.)
烏帽子小屋(4:40) 0:25 レスト(5:05/5:10) 0:25 レスト(5:35/5:40) 0:25 お花畑分岐(6:05) 0:25 レスト(6:30/6:40) 0:35 野口五郎小屋(8:00/8:10) 1:00 レスト(9:10/9:25) 0:55 レスト(10:20/10:30) 0:25 水晶小屋(10:55/11:05) 0:30 水晶岳(11:35/11:40) 0:30 水晶小屋(12:10/12:25) 0:40 岩苔乗越(13:05/13:15) 0:40 祖父岳(13:55/14:02) 1:03 雲ノ平キャンプ場(15:05)
合計歩程 7:58(コースタイム 9:15 短縮率86.1%)
おまけ:キャンプ場のテントサイト受付のため、往復+50分
雲ノ平キャンプ場 0:25 雲ノ平山荘 0:25 雲ノ平キャンプ場
出典:山と高原地図 36「剱・立山 北アルプス」,昭文社,2013.
赤:ルート
裏銀座縦走路は多様な顔を有しており、烏帽子小屋ー野口五郎岳は穏やかである一方、水晶小屋付近は岩々しています。来る者を飽きさせません。
登山報告
はじめまして、まゆげ(仮称)です。
目覚めると、なんか天気が微妙です。
モヤァ
ガスってます。
山の天気は変わりやすいのて、好転することに期待して登り始めます。
ガシガシと高度を稼いでいくと、雲のすき間から山々がちらりほらり。
うん、この瞬間がたまらない。
前方には、三ツ岳。これから通過する予定です。
見とれる気持ちも分かります。
着々と三ツ岳に近づいていきます。
うーん、しかし…
またガスってきました。
もう目の前以外何も見えない。
雷鳥さんもご機嫌ななめです。
そして、肝心の三ツ岳のピークは盛大に見逃しました。
きっと天気のせいでしょう。
一方で、こんな分岐を発見。
お花畑or稜線コース。
これは登山地図における三ツ岳ピーク付近の分岐かと思われます。
ガスっているので、迷わずお花畑コースへ。
その名に恥じぬ、お花畑っぷりです。
お名前は…
花独活(はなうど)かな?
自信なし
だんだんと岩々してきました。
岩の上をホップステップで進みます。
さすが裏銀座、すれ違う人はほとんどいません(まだ早朝というのもあるでしょう)
しばらくすると、謎の100メートルの文字。
標識等は一切ありません。
地図を読み込んでいる登山者なら、意味が分かるはずです。
これは野口五郎小屋までの残りの距離です。
ただ、ガスっていて小屋はまだ見えません…
行く先には、「水晶・竹村」、上ってきた方向が「烏」(烏帽子)。
なんやかんやで野口五郎小屋に着きました。
お手洗い休憩ののち、再び稜線歩きです。
このタイミングでそこそこ雨が降ってきました。
稜線から、野口五郎小屋を振り返る。
稜線に対して、東側に小屋が取り付いています。
西側からの風を避けるように作られているわけですね。
ナルホド
三百名山に選ばれている、標高2924メートルのしっかりとした山です。
しかし、そこそこの雨天・展望ゼロということもあり、同行者のうさぎ(仮称)とゴールキーパー(仮称)は記念撮影をするそぶりすら見せません。
野口の標識。
もはやただの苗字。
ちなみに野口五郎岳の「野口」は、地元の集落の名前らしいです。
「五郎」は、岩がゴロゴロしている様を示す「ゴーロ」から。
黒部五郎岳(北アルプスの百名山)からとることも検討したそうですが、標高が高いという理由でこちらを選んだみたいです。
あえて百名山ではない野口五郎岳を選ぶとは、こだわりを感じますね。
以上、Wikipediaから引っ張ってきた情報でした。
野口五郎岳を越えると、天気はやや好転。
ここで、竹村新道の分岐です。
竹村新道は、登り・下りともにきつい健脚者向けのルートです。
下っていくと、湯俣へたどり着きます。
健脚者向きではあるものの、裏銀座ルートの貴重なエスケープルートであるように感じます。
あ、雪田。
太陽がガンガンにあたっても溶けないって、ちょっと理由が気になりますね。
水晶小屋に近づくにつれ、だんだんと岩がとげとげしてきました。
ゴロゴロしてます。
さらにすすむと、ガラガラしてきます。
さっきから擬音が多い
そして植生もまばらに。と同時に急登です。
登り始めの裏銀座コースとは似ても似つかぬ様相です。
急登を登りきると、突如小屋が現れます。
水晶小屋です。このあたりは非常に強い風が吹きます。
テントは危険なため、幕営禁止。
水晶小屋は、風を避けるようにひっそりと建てられており、最大収容人数は30名と比較的コンパクトな小屋です。
さて、結構な雨風ですが、水晶岳目指して往復ピストンです。
ほぼ空身なので、羽が生えたような気分です。
なだらかな道の雰囲気が、北アルプスの双六岳にちょっと似ています。
と思ったら、本格的なはしご。
思いのほか全体的に岩々してました。
そして水晶岳に到着!!
もちろん展望はゼロ。
いいんです、知ってました
水晶岳の先には、赤牛岳と読売新道。
こちらは、長い長い稜線から黒部川・黒部湖へ至る健脚者ルートです。
水晶岳から次の小屋まで、コースタイムで8時間20分。
エスケープルートがないため、挑む際は万全を期す必要があります。
サクッと水晶小屋に戻ってきました。
展望はありませんでしたが、荷物から解放されるというちょうどよい休憩になりました。
さて、重い荷物を抱えて雲ノ平へ。
水晶小屋からしばらく行くと、分岐がたくさんあります。
岩苔乗越もその一つ。
東北地方の駅で例えるならば、郡山駅のような規模です。
上にも下にも、右にも左にも行けます。
レアな名前がたくさんあります。
こういう道標は見ているだけで楽しい。
あ、雪田。
もはや景色が見えないので、足元にあるものでリアクションするしかありません。
しかしながら、雲ノ平に近づいてくると、足元が華やかになってきました。
チングルマの実っぽいものがお迎えしてくれました。
さて、雲ノ平へ行くためには、祖父岳というピークを一つ越えなければなりません。
ゆるゆると高度を稼いでいきます。
そして祖父岳。
「じいだけ」です。
「そふだけ」ではないそうです。
山頂はケルンいっぱい。
確かになだらかな山容で、方向感覚が狂います。
祖父岳からの下りも、ゴーロです。
…からの木道。
いよいよ雲ノ平っぽい。
一か所、木道がシーソーのようになっているところがあり、うさぎが吹っ飛びました。
みなさま、足元にはお気を付けくださいね
しばらくすると、こんな看板が。
昔は、ここを左へ折れて、キャンプ場の上に直接出ることができたみたいです。
現在は、植生保護のため、迂回路を利用します。
そもそも、そんな直行ルートがあるなんて知りませんでした。
キャンプ場まであと少しだ!!…と思ったのですが、以外とここからが長かった気がします。人間、じらされると長く感じるものなのかもしれません。
ま、着いてしまえば勝ちです。
着いた着いた!!わーいわーい
ときは15時。
そこそこサイトは埋まっています。
全体的にゴツゴツ&水たまりが多く、快適な場所を探すのに苦労しました。
さて、雲ノ平山荘でテントサイトの受付をしなければなりません。
よっしゃ、行ってくるよ。
テント設営は二人に任せ、ひとり山荘へ歩き出します。
しかし、歩けども歩けども山荘には着きません。
うーん、遠いなぁ
しかも、どしゃ降りになってきました。
テント設営組も今頃大変なことになっているんだろうなぁ…
途中、雨天時は特に怖い平均台ポイントがありました。
あ、山荘が近い!!
やっと着いた。
歩くこと25分。
キャンプ場から山荘受付まで片道25分という、なかなかハードなコースタイム設定です。
おそらく植生保護の観点から、ここに小屋を建てたのでしょう。
文句は言えませぬ
一方で、水場はキャンプ場にしかありません。
山荘宿泊者は、水を汲むためにキャンプ場まで片道25分歩かなければなりません。
うーん、お互い大変ね。
ちなみにキャンプ場には水場が二か所あって、一方は涸れていると山荘の方に言われました。
キャンプ場に戻ってきて確認すると、確かに涸れてました。
さらっと戻ってきてますが、当然また25分歩いています。
雨はいつの間にか弱まっています。
おっ、われらのテントも立っています。
設営ご苦労でした、二人とも。
どしゃ降りを浴びた形跡がしっかり残っていました。
しばらくすると、ややガスが晴れてきました。
うん、いい感じ
とりあえず雨が止んだので、今のうちにお洗濯タイム。
臭いよ臭いよ、飛んでいけ
そして夕刻、雨はすっかり上がりました。
あとはガスが晴れてくれれば万事OK。
明日に期待ですね。
さて、縦走計画もこれで折り返しです。
本日は雨の時間帯が多く、最高のコンディションとは言えませんでしたが、天気が大崩れしなかったのは幸いでした。
裏銀座の魅力をひしひしと感じることができ、感無量です。
また、登山口からこの雲ノ平キャンプ場に来るには、どう頑張っても2日ほどはかかります。この秘境感がすでにたまりません。もはや完全に下界と切り離されており、すべてから解放されたスーパー自由人に変身できます。
…と思いながら下界で記事を書いている、今日のこの頃
メンバー
- うさぎ(17回目)
- ゴールキーパー(13回目)
- まゆげ(自分)
※(回数)は、通算で登った回数
全日程通しで1回とカウントします。