裏銀座・雲ノ平縦走3日目~雲ノ平
雲ノ平の特徴
- 緑が美しい
- 「日本最後の秘境」と形容される
- 庭園いっぱい
雲ノ平は、山ではありませんが、なだらかな丘です。
美しい緑が広がり、小屋とテン場と木道以外、人の手がほとんど入っていません。
下界から完全に隔絶された世界に、癒されます。
行動記録・ルート
- 2018/8/14 (Tue.)
雲ノ平キャンプ場(5:20) 0:20 スイス庭園(5:40/6:05) 0:20 雲ノ平キャンプ場(6:25/6:50) 0:25 雲ノ平山荘(7:15/7:45) 0:15 祖母岳分岐(8:00) 0:10 祖母岳(8:10/8:15) 0:10 祖母岳分岐(8:25) 0:30 アラスカ庭園(8:55/9:15) 1:45 薬師沢小屋(11:00/11:25) 0:50 レスト(12:15/12:30) 0:45 レスト(13:15/13:25) 0:35 太郎平小屋(14:00/14:20) 0:30 薬師峠キャンプ場(14:50)
合計歩程 6:35(コースタイム 7:15 短縮率90.8%)
出典:山と高原地図 36「剱・立山 北アルプス」,昭文社,2013.
赤:ルート
キャンプ場からアラスカ庭園までは、ゆるゆるとした木道歩きです。
薬師沢近傍は典型的なV字谷で、岩々&木の根っこたくさん&ぬるぬる(降雨時)の下りが延々と続きます。つらめ
薬師沢から太郎平へは再び登り返しですが、雲ノ平からの下りほど急ではなく、沢沿いを涼しく登れます。
登山報告
はじめまして、まゆげ(仮称)です。
前日は結構雨が降りました。苦労して雲ノ平に着いたものの、まだ魅力をほとんど感じていません。
朝方(2時半頃)、ふと目が覚めました。
6時間前は結構ガスっていたなーと思いながら、テントから外に出て様子を見てみます。
うぉぉぉぉぉぉぉ!!
見事な晴れです。
満天の星空。
かつ、満点の星空。
テンション爆上がりです。
そのテンションは沈めつつ、一旦寝ます。
そして朝4時20分。
朝ごはんです。
前日は行動時間が長く、お昼抜きになってしまったので、そのとき余ったうどんを調理します。
いい天気・いい朝ごはんで文句なし。
雲ノ平散策のためのコンディション調整は万全です。
ほかのテント様もほとんど起床しています。
闇に浮かぶテント群。
美しい。
のんびりと出発準備を進め、徐々に明るくなってきました。
だんだんと、雲ノ平の形状が明らかになってきます。
奥に延びる道を進んでいくと、登山道(木道)へ合流します。
ふと左を見てみると…
なんかイケメンな山がいる。
雲ノ平の南方です。果たしてその名は?
そして、テン場にはチングルマの実がたくさんです。
季節が合えば、花に囲まれたテント生活が送れそう。
からの、テン場併設のトイレ。
見た目は公園にあるような公衆トイレ風ですが、中身はしっかりとした山小屋風の古典式トイレでした。
ルートへ至る道から、テン場を振り返る。
テン場のバックにそびえるは、祖父岳です。
昔はテン場からの直登ルートがあったみたいですが、いまは閉鎖。
前置きが大変長くなりました。
まずは雲ノ平目玉の景勝地、スイス庭園へ向かいます。
木道はお花畑に囲まれています。
登山道との合流地点。
右奥に、とがった何かが見えますねー
黒部五郎岳の肩から見えるそのピークは、これまた百名山の笠ヶ岳です。
登山道から、スイス庭園へ向けて分岐を折れます。
昨日登りましたが、展望はゼロでした。
晴れていれば、雲ノ平が一望できることが期待できますね!
そして間もなく、スイス庭園に到着。ここで木道は行き止まりです。
さて、素晴らしい展望です。
刮目せよ!!
…うーん、写真だと感動がいまいち伝わらない気がします。
太陽が水晶岳に隠れていて、谷が暗く映ってしまいます。
ということで、少々明るさを調整。
ちょっとは谷の雰囲気がお分かりになるでしょうか。
パノラマ風写真。
修正しまくってます。
ときは朝6時。
誰もいないのをいいことに、うさぎ(仮称)ははしゃぎまくります。
いやー連れてきてよかった、と保護者のような雰囲気の我々
と言いつつも、心のなかではぴょんぴょん飛び跳ねてます。
さて、お腹いっぱいになったので、キャンプ場目指して戻ります。
あ、池。
もう見る物すべてに見とれてしまう覚醒状態に入りました。
あ、日の出。
まだまだ一日は始まったばかりです。
このお得感。
見渡す限りの晴れ、晴れ、晴れ。
左奥には立派な黒部五郎岳。おや、右奥には…
で、でた。
はるか遠くの雲ノ平山荘。
ロールケーキのようなおしゃれな外観です。
そして、相変わらず花(実)がきれい
笠ヶ岳と私。
お花畑に不法侵入しているような絵面ですが、ちゃんと木道の上です。
再びテン場に戻ってきました。
すでに多くのテントが撤収しています。
我々も撤収し、テン場を後にします。
よいテン場であった。
さて、まずは雲ノ平山荘へ向かい、土産物を漁ることにします。
なんかザックがすごいことになってます。
しかし、この素晴らしき太陽光を洗濯に利用しないわけにはいきません。
てくてくてく…
テン場から山荘まで20分程度ありますが、快適なお散歩です。
昨日の雨天時は怖かった一本橋。
そして雲ノ平山荘。
やぁ、また来たよ
山荘前からは、素晴らしい景色が広がります。
歩いてきた木道。
祖父岳。実はテン場も見えます。
では、山荘の中に失礼します。
窓からの眺めとしては最上級です。
お、バッジ。
お、ビール。
そして、お目当てのシャツを購入。
多分ここでしか買えないでしょう。限定モノです。
もったいなくて着られません
薬師沢の方へ向かいます。
通は、「高天原」という文字を見るとテンション上がるかもしれません。
高天原=超秘境です。
個人的には、秘境度合いでは雲ノ平以上だと思ってます。いつか行きたい
山荘はやや高台に建っています。ルートに戻るため、下ります。
奥深いなぁ
山荘側を振り返る。
しばらく歩くと、祖母岳(ばあだけ)への分岐。
迷わず空身でアタック。
山荘も、バックの水晶岳も映えます。
天に向かって伸びる木道。
よい雰囲気。
祖母岳には分岐から10分程度であっという間に着きます。
雲ノ平の中にあって貴重な高台スポットです。
山荘と水晶岳。
雲ノ平キャンプ場のテン場。
まだテントがちらほらありますね。
祖母岳の展望に満足し、下ります。
途中、通りすがりのおじさまに、写真を撮っていただきました。
数少ない(笑)スリーショットです。
男三人だとこんなもんでしょう
さて、分岐に戻って荷物を回収し、薬師沢へ向けて本格的に歩き出しです。
そして恐ろしいことに気づきました。
既に3時間ほど動いてますが、直線距離にしてまだ全行程の8分の1くらいです。
冷静に考えると絶望です(計画通りではあります)
気合い入れて歩き出します。
…とは言っても、しばらくは楽しい庭園歩きです。
若干出てきた雲が気になります。
雲に隠れているのは、もしや薬師岳?
そのどっしりした姿を見せてほしいなぁ
奥日本庭園の標識。
どこからどこまでが奥日本庭園なのでしょうか?
木道がひたすら続きます。
からの、アラスカ庭園。
奥日本庭園とどう違うんだ?
そんなこたぁどうでもいいんです、美しければ
あっさりみかんとあっさり白桃を発動します。
私の個装(おごり)です。
200円もしたんだぞ、ちゃんと味わえよ
ザックの底に埋まっていたので、荷物を全部出して発掘しました。
そして再度パッキング、薬師沢へ向けて下りがはじまります。
そういえば、昨日雨が降ったこともあって、木道が若干滑るなぁ。
滑る木道上では、スリルある山歩きを楽しめます。
ただし、実際に滑って転んでみると、ガチで痛いのでお勧めしません
数分後には余裕のポージング
でもまだちょっと痛い…
ここにきて、ゴールキーパー(仮称)がスピードアップ。
ぬかるむ足元のなか、忍者のように軽快に下っていきます。
引き離された我々は、マイペースで下ります。
そこそこの急坂です。
ここを登るとなると、辛いなぁ…
途中で、大学生らしき3名グループが登ってきました。
全力で絶叫レベルの挨拶をしてくれました。
確かにこの登りは、生半可な気合いじゃ登れませんね、ガンバ
それから、相当歩きました。
ようやく沢が見えてきました。V字谷の折り返しまで、あと少しです。
そして数メートル級の梯子。
マンネリの下りにいいスパイスです。
そして沢に到着!黒部川です。
薬師沢は、これから向かう太郎平方面からこの黒部川へ流れ込んでくる支流になります。
この先は、奥ノ廊下、上ノ廊下、下ノ廊下という険しい黒部峡谷を経て、黒部ダムへ至ります。危険ですが人気の沢登りルートもあります。
あれ、雨が降ってきた。
仕方ない、レインを着よう。
…レインがない
はい、絶望。
多分、アラスカ庭園に置いてきました。
あっさりみかんとあっさり白桃を出すときにザックから取り出して、パッキングするのを忘れていたみたいです。
200円の個装と引き換えに、34000円のレインを失うという大打撃。
いや、この際お金の問題じゃなくて
まだ1日半行程が残っているのに、雨が降ったらどうするんだ!!
まさにいま降ってます。もう成すすべありません。雨に打たれるのみ
あぁ、大学2年時から愛用してきたレイン…
昨日、雲ノ平で干したのが最後の想い出です。
一緒にいるのが当たり前だと思っていた。ごめんな
せめて、雲ノ平で幸せな余生を過ごしておくれ
そして、雲ノ平側にとっても、衣類を放置されるという迷惑行為に当たりますね。
土下座します、すみません
さて、そこそこ落ち込んだところで、沢の左側の梯子を上って、名物の吊り橋を渡ります。
両側の手すりをしっかりつかめば、サクサクのサクですね。
しばらくの雨。濡れます。
しかし幸いなことに、雨が次第に弱まってきました。
薬師岳方面も晴れ間がちらりほらり
薬師沢に沿って緩やかに登ります。
ときには沢渡り。
ときには木道。
ときにはトリカブト。
アコニチンという猛毒成分を有しています。
触らぬ神に祟りなし
何回かの沢渡りを経て…
展望が開けてきました。
左手に見えるは、太郎山かな?
右手、遠方にはテン場らしきものが見えます。
本日のゴールの薬師峠キャンプ場です。
現代の光学技術ってすごい。
天に向かって伸びる木道、再び。
今日はほとんど木道だなー
ゴールキーパーがややガス欠気味。
そういえば、昨日もそうですが、まともにお昼ごはん食べてませんでした。
休み休み進みます。
頑張れー、小屋が見えてきたよ
人がいっぱい。
太郎平小屋は富山側の北アルプス拠点です。
長野県側の上高地的な位置づけかと勝手に思ってます。
ふぅ、着いた。
いい雰囲気の小屋ですね。
本日のテン場は、薬師峠キャンプ場です。
太郎平小屋の目と鼻の先にあります(とは言ってもコースタイム20分)が、受付は小屋ではなく、キャンプ場併設の出張所でできるとのことです。
さて、もうひと頑張りです。
景色は悪くないですが、天気が不穏な感じです。
歩くこと30分弱、テン場が見えてきました。
サイト、水、トイレいずれも充実しているテン場です。
実際、快適でした。
さて、本日の写真はここでオシマイです。
テン場到着後すぐに、雷雨がやってきました。
写真を撮る余裕もなく、設営を済ませ、10時間ぶりぐらいのごはんの準備。
おつかれさま
今日の行動時間は9時間30分、頑張ったなぁー
そのうち歩いた時間は、6時間35分。
あれ、お昼ごはん抜きなので、行動時間の3分の1は休憩・寄り道ってことですね。
少々休みすぎな気がしなくもありませんが…
しかし、休み・寄り道のない登山なんて登山じゃありません。
我々は我々の道を突き進みます。
果たして私は何を言ってるのでしょう
メンバー
- うさぎ(17回目)
- ゴールキーパー(13回目)
- まゆげ(自分)
※(回数)は、通算で登った回数
全日程通しで1回とカウントします。