西沢渓谷
西沢渓谷の特徴
- 秩父多摩甲斐国立公園内に位置する
- 多くの滝に囲まれた渓谷
- 紅葉の名所
- 名前のつけられた奇岩が数多く存在する
- 三塩軌道という昔のトロッコ軌道が残っている
山梨県内でトップクラスの人気を誇る自然あふれる観光名所、西沢渓谷です。老若男女が涼や紅葉を求めて訪れます。
行動記録・ルート
- 2016/11/2 (Wed.)
- 2016/11/3 (Thu.)
道の駅みとみ~西沢渓谷入口駐車場
西沢渓谷入口(6:50) 1:45 Rest(8:35/8/55) 0:10 トイレ(9:05/9:15) 0:25 大展望台(9:40/9:45) 0:45 西沢渓谷入口(10:30)
合計歩程 3:05(コースタイム 3:50 短縮率84.8%)
出典:山と高原地図 26「金峰山・甲武信」,昭文社,2013.
赤…行きのルート
黄…帰りのルート
紅葉シーズンにも関わらず、前夜に道の駅みとみに駐車してある車はまばらでした。まぁ西沢渓谷は日帰りでも普通に行けますからね…
道中は基本的に一方通行です。前半は渓谷沿いを歩き、後半は迂回路で帰ってきます。槍ヶ岳や剣岳のような、混雑緩和のための一方通行方式です。
難所はありませんが、舗装されていない山道がしっかりあるので山靴で行くことをお勧めします。ただ、スニーカーでも頑張れば歩けるようです。
登山報告
はじめまして、まゆげ(仮称)です。
乾徳山に登った4日後に、同じ山域にある西沢渓谷に行ってきました。後輩のゴールキーパー(仮称)が企画してくれました。今回車まで出してくれて、感謝感激雨霰です。
今回は、まゆげ、ゴールキーパー、南極(仮称)さんの3人です。
平ヶ岳、Jバンドでもお世話になった鉄人南極さんの再来です。
さて、運転できるお二人に車をまかせ、西沢渓谷まで走らせてもらいます。道の駅「みとみ」というところに車を停め、車中泊。
そして今回の山行(?)のピークは早々にやってきました。
「シュラフがない」
レインを上下に着て最大限の暖をとろうと試みますが、広大な自然の寒さの前には無力。この一晩で10万回くらい震えたと思います。(1秒に6回くらい)
他の二人は、シュラフにくるまってぬくぬく寝ています。いいなぁ…
おまけに、車の天井の窓が少しオープンになっているという殺人プレーがありました。
翌朝、冷凍状態となって発見された私は、車の暖房をガンガンにつけてホットコーヒーを飲むことによって無事解凍されたのでした。マグロの気持ちがちょっと分かった気がします。
さて、気を取り直して歩きだします。
よく見ると、結構色づいています。関東屈指の紅葉の観光地の名は伊達ではありません。
行程中のさらなる紅葉に期待が持てます。
ちなみに上の道路は、雁坂峠という日本三大峠の下をトンネルで突っ切り、埼玉県奥秩父へと抜け出すマニアックな道路です。
西沢渓谷入り口にて。
南極さんとゴールキーパー。
当然のことながら、車は通行止めです。ペンギンは通っていいみたいです。
あと、南極さんは完全に私服です。
「西沢渓谷はスニーカーで踏破できる説」を南極さんが検証します。
途中、こんな看板があります。西沢渓谷内に家を建てたい方は、事務所にご相談ください。
許可っておりるものなのだろうか…。6億円くらい積めばいけるかな?
入り口から20分くらいで、登山届を出せる休憩所(トイレ)があります。そこから15分くらい林道を歩くと、西沢渓谷の登山道に突入します。
林道の一コマ。
こういうのどかな写真が個人的なお気に入りです。
西沢渓谷へ至る道の途中に、日本百名山の甲武信ケ岳へ至る分岐が2つ存在します。それぞれ「徳ちゃん新道」「近丸新道」と呼ばれています。
写真は近丸新道の入り口です。こちらは沢沿いの道なので増水時は注意が必要です。
ところどころに西沢渓谷の案内図があります。登山地図にはない、岩や木の情報まで載っています。
ちょうど現在地のところで林道が途切れ、登山道に入ります。
こんな感じの登山道です。行きはずっと沢沿いの道が続きます。
念のため補足しておくと、私の首は180°は回りません。
西沢渓谷の名所の一つ、二俣吊橋。川上と川下の紅葉を一望できます。
川上の紅葉。うーん美しい。
ちなみにこれは南極さんカメラです。
同じところをマイカメラで撮るとこんな感じ。
カメラ一つでこんなに違うのか…
私のカメラは700ナノメートル程度の波長(=赤)の感度がよくないみたいです。
以降、鮮やかな写真はすべて南極さんが撮影したものと思ってください。以降どころか過去の記事もそうなんですけれど。
川下の紅葉。うーん素晴らしい。
とにかく赤い。レッド吉田もびっくりです。
さて、赤いアピールはこの辺にして、滝アピールに移りましょう。
途中、滝見台なるスポットがあります。登山道を左手に折れて下ったところにあります。
滝見台から見た、「三重の滝」。そのままポストカードとして使えそうです。
滝との距離感はこんな感じです。
さらに少し上流に行くと、本気を出せば沢の水に触れられるスポットに出ます。
うーん、沢沿い。
だんだんボキャ貧が露呈してきました。
ちなみに道中はガッツリ山道です。
昨晩の雨の影響もあって、若干ぬかるんでます。
こんな悪路を南極さんはスニーカーで颯爽と登っていきます。さすが鉄人。
貞泉の滝。
西沢渓谷では道中に数多くの滝がありますが、その中でもランクが高い滝には展望台が用意されています。貞泉の滝にも、ささやかな展望台があります。
奇岩の一つ(というよりは、岩が削られた地形ですが)、母胎渕。
なるほど、確かに生まれてくる前にこんな光景を見た気がします。
頭上注意の貼り紙。貼り紙から察するに、上の方から虫歯菌みたいなモンスターが襲ってくるみたいです。
西沢渓谷の滝たちの親玉は、再奥地にある「七ツ釜五段の滝」です。この橋がビュースポットです。
七つの釜に、五段の滝。
日本の滝百選に選ばれています。
…日本人て百っていう数字が好きね。
七ツ釜五段の滝を過ぎると、西沢渓谷内で数少ない分岐があります。右に行くと行き止まりですが、少し頑張れば沢に下りることができ、プライベートな休憩スポットとして使えます。
下りてみると、案の定貸し切りでした。
思わずテンションが上がります。
うーん、とても押したい。
しかし帰りの運転手がダウンすると困るので、ぐっとこらえます。
うーん、とても押したいPart.2。
しかし帰りの車のキーが流されると困るので、ぐっとこらえます。
さて、行動食を補給し、西沢渓谷周遊ルートの折り返し地点へ向かいます。
最後の最後に、みんな大嫌い階段が待ち構えていました。うーん、辛い。
登り切ると、トイレ。ここが折り返し地点です。
トイレを奥に進むと、本格的な登山口が待ち受けています。
この先、黒金山を経由して4時間45分歩けば、先週登った乾徳山に着きます。かなりマニアックなルートの印象ですが、プライベート感があって楽しそうです。
ちなみに、標識の右手の線路は、三塩軌道という1933~1968年に稼働していたトロッコの軌道です。当時としては珍しく、機関車を使わず馬力により木材を運搬していたとのことです。
三富(みとみ)村と塩山駅を結んでいたため、三塩軌道です。私は(元)鉄道ファンなので、こういうものを見ると自然と心が躍ります。
ハッとして左手を見ると、素晴らしい展望。奥にそびえるは甲武信ケ岳でしょうか。もしくはその南に位置する木賊山(とくさやま)と判断します。
ハッとしてグッときてパッと目覚める…思わず田原俊彦が出てきます。
折り返し地点からは、迂回路を通って駐車場まで戻ります。帰りは多くの沢を横切るため、数多くの橋が存在します。すると、こんな橋が。
彦一さんの操作ミスで馬と一緒に沢に転落したそうです。
しばらくするとこんな橋が。
猪虎狸(いこり)さんの操作ミスでトロッコと一緒に沢に転落したそうです。
まとめると
彦一さん⇒馬と一緒に落ちる⇒負傷
猪虎狸さん⇒トロッコと一緒に落ちる⇒負傷
こんなところを馬でトロッコを引いて通るなんて、労働者の安全が尊重される現代社会ではまずありえません。
何はともあれお二人ともご無事で何よりでした。
折り返し地点から25分程度で、展望台に着きます。
良画質Ver.でどうぞ。
同定力()には定評のある私ですが、これは若干判断しかねます。
中央が先ほどと同じ木賊山、右が破風山ですかね…
道中では、軌道がところどころ残っています。
こら、二人して何やっとる。
上を見ると、美しい紅葉。
来た甲斐がありました。
甲斐だけに…ボソッ
すみません。こういうこと言うとバッシングされそうなのでもう言いません。
さて、迂回路もそろそろおしまいです。ラストには、「ネトリ橋」という橋があります。せっかくなので(?)、ゴールキーパーに寄り添って写真を取ります。
いやぁ、美しい画ですね。
…紅葉が。
ネトリ橋から沢の上流を写すと、行きに通った二俣吊橋が見えます。お分かりだろうか。ズームをせずに分かった人はマサイ族並みの視力の持ち主です。
ちなみにネトリ橋は、「子酉橋」と書きます。 変なこと考えた人は帰ってください。
私たちも帰ります。
時間に余裕があったので、西沢渓谷からは若干遠くに位置する「ほったらかし温泉」に行こうと提案し、車を走らせてもらいます。だいぶ走りづらそうな山道を通ります。運転ほったらかしですみません。
ほったらかし温泉は、山梨市の高台に位置する、山梨県内では文句なしにNo.1の展望を誇る露天温泉施設です。
人気の温泉であるにも関わらず直通バスはなく、付近のフルーツ公園という施設のバス停から徒歩25分という立地にあります。アクセスの際には、車があると大変便利です。
無事到着!!ほったらかしのポーズ。
「あっちの湯」「こっちの湯」の2種類の露天風呂があります。それぞれ別料金ですが、どちらかに入るだけでも満足(という評判)です。
「こっちの湯」…常連さん御用達。木造りのひなびた雰囲気が人気。
「あっちの湯」…こっちの湯の2倍の眺望。
若者は質より量を選ぶ傾向にあります。私たちも眺望の広さを求めてあっちの湯へ向かいました。
うむ、これは期待が持てる。
ここから先は撮影はできないので、音声でお届けします。
(ガラッと入った瞬間)
「うおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
…とまぁ、こんな感じです笑
実際の展望に近い光景が、こちらです。
下のプレハブが脱衣所・洗い場です。
実際はさらに右にも左にも光景が広がります。パノラマで撮影すればよかったですね。
甲府盆地が一望できます。目を凝らせば、走っている中央本線なんかも見えます。
この写真で中央本線の場所が分かった人は、マサイ族並みの視力の持ち主です。
ほったらかし温泉の営業時間は、日の出1時間前からで、温泉につかりながら日の出を見ることができます。何という心遣いでしょうか。心まで温まります。
とまぁこんな感じで、いい温泉でした。実は訪れたのは二回目なのですが、何度来てもいいところです。
温泉併設の食事処で昼ごはんとソフトクリームを食べ、ベンチで10秒ほどたそがれてから、帰路につきます。
帰りの運転もお二人にまかせて、VIP気分で帰宅です。何から何まで任せきりですんませんホントに。
今回はゆるく体を動かすことができて、非常にいいリフレッシュになりました。健康的な自然に囲まれ、いい温泉にも入れて、体力もやる気も全回復しました。
都会での生活に疲れを感じたら、自然に身をまかせるに限ります。
こういうイベントを経験すると、生きてるって素晴らしいって実感します。
特に、寒さを耐え忍んで無事に朝を迎えた時の気分は最高でした。
メンバー
- 南極さん(10回目)
- ゴールキーパー(8回目)
- まゆげ(自分)
※(回数)は登った回数